南四国ツーリング

四万十川の沈下橋にて
’98・11・20(金)〜11・23(月)

 ツーリングチーム『チェリーボーイズ』第4弾。去年の第3弾でやっと2泊ツーリングが実現したものの、やっぱり同じ行くならばより多く、そしてより遠くへ行きたい。しかしメンバーのK吉が仕事の関係上、平日に休暇を取りにくいこともあって、なかなか目的地を絞り込むことが出来ずにいた。
 そんな時、ふと瀬戸内航路のフェリーを利用すれば、ある程度の日数と距離を稼げるのではないかと思いついた。2人に相談すると即採用。目的地は、九州まで脚を伸ばすと日程に無理があるので、まだ行ったことがない南四国方面に決定。最終的には松山までフェリーで渡り、四万十川周辺を走りつつ瀬戸大橋を渡って帰ってくるルートに決まった。フェリーは時間の都合がいい関西汽船を採用。また、今回からは秘密兵器の無線機が登場!K吉は以前から免許を持っていたのだが、それに合わせて私たちも免許を取得したのだ。これでもっと楽しくなるな、オイ!ではちょっくら参りましょうか!

11月20日(金)
 出発の日。ツーリングの準備をして、午後からバイクで職場に出勤。夜8時過ぎまで残業してから、集合場所である中突堤フェリーターミナルに向かって出発。いよいよですねえ。皆さんフェリー乗る時ってウキウキしません?(笑)。弾む心を押さえつつ、暖機しながら荷物くくりつけてると、胸奥にしまってた携帯がRRR…。うわ、ちょっと待って!慌ててるうちにコールは止み、挙句に握った時に違うボタンを押して着信表示を消してしまった。HBKかK吉からかな?かけ直そうにも辺りが真っ暗でボタンがよく見えない。しょうがない、ターミナルに行ってからにするか。でもどうしてこんな時間に電話してくるんだろう?何となく嫌な予感・・・。

 ターミナルに8時50分到着。集合時間の10分前です。2人はまだ来てませんね。とりあえず連中の携帯に電話。双方ともコールしてるが応答なし。走行中だな。もうちょっとしたら来るだろう。ではあの電話の主は?待っている間に、心当たりの友人に電話しまくって確認してみます。誰もが「俺ちゃうで」とのつれない返事。おっかしいなあ。そうこうしてるうちに時間は9時を回り、10分たっても20分たっても来る気配がない。やはりあの電話は2人のどちらかか!何かあったな!けどその何かを確認する術がない。困った、どうしよう・・・。
 出航1時間前の9時半を過ぎます。もう乗船手続き終わっちまうぞ。仕方なく家に電話して確認しようとした矢先、K吉のVTRがやっと到着。あれ、HBKは?「向こうにおるで」。なーんだ、心配しちまったぢゃないか。仕事に手間取ってたんか?「いや、ちゃう。実はHBKがな・・・」。何?どないしたんや?「まあ向こうに行って見てやってくれ」。何もったいつけてんだよーと思いつつ駐車場へ行ってみると、そこにはK吉のセカンドバイクXR250に跨ったHBKが。あれ、お前バンディットどないしたんや?こけてメゲた何やとー!(爆)

 聞くところによると、2人は誘い合って出発したらしいが、出発直後に渋滞中の高速ICをバックで逆走してきた軽トラ避け損なって壁に激突したとのこと。バイクはフロントホイールがケチョンケチョンになって走行不能となったそうだ。幸いK吉の自宅近所だったので、一度引き返してXRに乗り換えたので遅れた、とこういう具合。で、その軽トラは?「逃げた」。何やとー!(怒)。ナンバーは?「見てない」。
 クソッ、こんなムカつくことがあっていいのか。確かに接触してないとはいえ、明らかに転倒原因が自分なのにもかかわらず、倒れてる人間ほっといて行くか?ひき逃げと同じぢゃないか!運転マナー以前の問題だぞ!そんな目に遭うなんて、全く災難としかいいようがない。とにかく体が無事で何よりだった。

 そんなこんなでなんとか乗船手続きを済ませ、フェリーは予定通り10時30分に出航。船室予約は2等だったけど、関西汽船は寝場所を指定してました。それにしても狭いなー、1人分が。荷物を置いてから、ラウンジでビールを飲みながらいろいろと話します。そのうちHBKが、まだ時間が早いというのに先に寝ると部屋へ戻ってしまいました。無理もない、初めての転倒だったもんな。明るく振舞ってるけど、それなりのショックもあったろう。今日はゆっくり休みなさい。
 残った2人は結構な勢いでアルコールが進みます。議題はさっきのバカ軽トラを初めとしたバカドライバーの話だったけど、元々難しい話が苦手な私たちは、気付けば陽気なツーリングの議題に変わってました(笑)。特にK吉は船旅が気に入ったご様子。ぢゃ来年も船旅計画するべか?いつのまにかラウンジは2人だけとなって、はてしない夜がふけていく・・・。

11月21日(土)
 翌日。朝5時半に放送で叩き起こされた。うへ〜、もっと寝かしちくりい。気のせいか、何となく頭痛いぞ(笑)。モタモタと着替えて下船準備。ふとHBKが気になって様子を伺ったけど、元通り元気になったみたいです。良かった良かった。フェリーは予定通り6時30分に松山港に到着。では行こうか!
 まずR437を通ってメインルートのR56へ。R56に出てすぐにコンビニ寄って朝食をとった後、南下して伊予市方面へ向かいます。天気はすこぶる快晴!ちょっと寒いけど、天気さえ良ければ気分も上々!あんまり気持ちいいので、このまま海沿いを走ろうってことで伊予市からR378へ分岐。無線で全くバイクとは関係ない冗談を言い合いながら、快調にシーサイドラインを進みます。
 調子に乗ってドンドン進んでいくと、佐田岬半島までもう少しってところで道路状態が激変。道幅が1車線となって、ウネウネと峠を登り始めました。しかもかなりタイト。こりゃZZRにゃつらい!去年の南紀R260を思い出すなあ。…とそんな悠長なこと言ってる場合ぢゃないぞ。右へ左へ振り回されてヘトヘトになってきた。横見たら断崖絶壁だし(笑)。やっとのことで峠を越えたと思ったら、やっぱり下りもウネウネウネウネ〜(笑)。もういいってば!ただ、南側は景色が開けて陽も当たるのでいくらか気分的には楽。ふと辺りを見てみれば、人が登るのも大変そうな急斜面は全部みかん畑でした。これどうやって収穫すんの?こんな地形さえ利用するなんて、人間ってなんてしたたかなんだ、と変なところで妙に関心してしまいました(笑)。
 しばらくしてやっと人里近くへ。もうグッタリです。当初の予定では、この後佐田岬のメロディーラインへと進むはずでしたけど、2人に意向を聞いたところ「もういい」とのこと。確かにちょっと疲れすぎって感じです。寝不足と二日酔いが相当効いてるな、コリャ。結局そのままR378走って八幡浜市のスーパーで休憩。

 30分程体を休めてからリスタート。このままR378を進むと海沿いにまたウネウネするので、県道走って一旦R56に戻ることにしました。穏かな風景の中、交通量の少ない道を快走。しかしここでまた事件発生!
 R56への合流地点にさしかかった所で、ふと気付くとHBKがいない。無線で呼びかけても応答無し。どうしたんだろうと振りかえれば、後ろに止まってた車のおばちゃんが、後方を指差しながら必死に私たちに合図を送ってます。また何かあったのか?急いでUターンして戻ってみると、200m後ろの三叉路にバイクだけが停車中。あいつどこ行ったんや?辺りをキョロキョロ探してたら、道横の田んぼの、高さ2m以上ある畦道から這い上がってきました。お前一体何やってんの?(爆)
 聞くところによると、ガス欠でバイクが止まってしまったので停車したらしい。ここまではいい。その後、燃料タンクのリザーブ位置がわからないので、一旦降りて探そうとスタンド出して降りようとしたところ、脚が引っかかってそのまま反対側の畦道に転落したとのこと。しかも幸運というか笑わせるというか、田んぼ横の側溝は脚を直角に入れて丁度の幅しかなかったそうだが、綺麗に入ってその中に立っていたそうだ(笑)。本人曰く、アッと思った瞬間に、目の前を草が猛スピードで顔面スレスレに上がっていったらしい(笑)。草が上がったんぢゃなくてお前が落ちたんだっちゅうの(爆)。そのマヌケ振りに私とK吉は大爆笑。とにかく、一歩間違えれば大怪我のところが無事でなによりでした。笑い事で済んでほんと良かったよ。

内海村辺りのドライブインにて  気を取り直して再出発。R56に合流後、ひたすら南下して宇和島市へ。ちょうど昼頃となったので、国道沿いに適当な店を探しながら走ってたら街を通りすぎちゃいました。この手の失敗は私にとってお約束。まず間違いなく1回は必ずする(^^;。結局、地名もわからんような所に店があったので、ここでいいやってことで昼飯タイム。何食ったかは忘れました。
 昼食後、再び南下。満腹感のせいで睡魔が襲ってきたので、海沿いに出てきたところですぐ休憩。ちょっと寒いのでホット缶コーヒー飲んで温まります。ちなみにドライブインで止まったつもりだったんだけど、なぜだか店は閉まってました。どうやら潰れている模様。これも不景気のせいなんでしょうかねえ、ヤダヤダ。
 そこからしばらく走り、御荘町の道の駅にて再び停車。これは周辺の観光ポイントを探すため。実は今日の宿は一本松町の温泉を予約してたんだけど、時間が3時にしてもう隣町に着いてしまったんですよ。どうやらメロディーラインをパスした為に早く着きすぎちゃったみたいです。観光案内板を見てめぼしいとこを探すけど、どうもパッとしたものがない。困ったなあ。そのうちK吉は探すのを諦め、ベンチに寝転がって寝息をたてだす始末。おーい!

紫電改展示館にて  私はこんな場所で眠るのがもったいなかったので、1人でいろいろと観光資料をあさってました。そしたらあったあった、めぼしいとこが。御荘湾展望台に、この湾から引き揚げられた旧日本軍の戦闘機、『紫電改』が展示してある模様。中学生の頃、戦艦や戦闘機のプラモデルを作って遊んでた私としては、これを見逃す手はないぞ。おいK吉、起きろ!出発するぞ!
 道を逆戻りして、有料の西海道路へ。なぜこんな道が有料なのかは納得できんけど、通らなければ上へ行けないんで料金払って展望台へと向かいます。展望台の真下に駐車場があったので、バイクを止めて歩いて登りました。後で気付いたんですけど、展示してある建物までバイクで行けたみたい。まあいいか、時間もてあましてたんだし。
 紫電改は、それ専用の建物の中にドンと展示されてました。おお、やっぱり実物はカッコいいなあ。よく見てみると、長い間海の底で眠っていた為、所々腐食して穴が開いてます。その他展示場の壁面には、発見された当時のことや引き揚げ状況のこと、そして紫電改の装備なんかが展示してました。この類は個人的に結構好きなんで、これは見学できて良かったです。あると知らなかっただけに、なんとなく得した気分ですね。

 さて、十分堪能できたところで、そろそろ宿へ行きますか。まだ時間は早いんだけど、変に時間潰すよりは宿に着いた方がいいしね。ということで再び道を逆戻り。途中、西海道路の料金所でまた金を取られました。なんで?登る時払ったぢゃねえかよぉ。展望台までたった3kmしかないんだぜ?やっぱりどう考えても納得できん!無線で文句を言い合いながら(全くロクな使い方してないな)、国道を15km程走って、無事4時半頃に宿に到着。
 宿は一応温泉ということになってました。ちょっと期待してたんだけど、着いてみてビックリ。これははたして宿なのか?一見隣保の集会所のようです(笑)。それに付近にはな〜んにもありません。なんてさびしい所なんでしょう。これで足摺岬周辺が満杯で予約がとれなかったにもかかわらず、こっちが余裕で予約できた意味がわかりました。晩飯は中にあったサ店のようなとこで食いましたが、メニューもサ店並。あの〜、ご当地物は?(笑)。まあ素泊り3000円ですから、文句は言うまい。あ、風呂はなかなか良かったですよ(ちょっとだけフォロー)。この日は寝不足だった為、早々と就寝。

11月22日(日)<午前の部>
 翌日、本日も快晴!今回は調子いいね!サクサクっと出発準備して、9時半に宿を出撃。今日の一発目の目的地は足摺岬です。んぢゃま、行こうかね!
 R56を東進して宿毛市へ入り、R321へ分岐して岬方面へ。この道は通称サニーラインと呼ばれていて、その名の通り交通量極小で快適そのもの。気分良く快走します。海沿いまで出てくれば景色もとっても綺麗。あまりに眺めがいいんで、途中止まって休憩します。ここから竜串という観光名所が見えてましたが、バイクで行けないようなのでパスしました。

足摺サニーライン途中にて   同じくサニーライン途中だよ

 再び走り出して、土佐清水市からお楽しみの足摺スカイラインへ。このワインディングロードは絶品!空に向かって伸びて行くような感じで、まさにライダーの為にあるような道路です。よっしゃ、いっちょ行ったるか!と思ったのも束の間、てんで遅い車に行く手を遮られて、ほぼ全線に渡って全くアクセルを開けることができず。なんて邪魔な奴!イライラしてるうちにスカイラインは終わっちゃいました。うーん、残念。
 そこから下道へ降りてしばらく走ると岬に到着。どこから湧いてきたのか、駐車場は車で一杯です。なんとか駐車できるスペース見つけて、早速展望台へ。ここからの景色はまさに絶景。目前に雄大な太平洋が広がってます。展望台そばには岬お約束の灯台もあって、まっ白い色がとても印象的。ついつい時間を忘れてくつろいぢゃいました。

足摺岬下の風景 海がとても綺麗です 岬の灯台だよ
展望台にて K吉と 

 さて、ひとしきり見学し終わったところで時間は11時半。ちょっと早いけどメシにしようか。どうせ食うんだったらやはりご当地物!土佐といったら当然、カツオのタタキでしょう!ということで近くにあった食堂でおいしくいただきました。シーズンからいえば外れてるかもしれないけど、こういうのは気分的なもんですからね。
 食後は土産屋のぞいたりしてノ〜ンビリと過ごします。そうこうしてるうちに、気付けば時間は1時前。しまった、完全にオーバータイムだ!今日の宿は天狗高原に予約してたんだけど、ここからの距離は約200km。しかもオール下道でウネウネ道ときたもんだ。「こんな調子で大丈夫なんか?」とHBKが不安そうに尋ねる。大丈夫も何も、予約とってんだから行かなくちゃ!こうしちゃおれん、急いで出発だァ!

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